【越前市男児行方不明事件】
越前市男児行方不明事件は、2017年(平成29年)に福井県越前市で発生した行方不明事件である。
2017年12月9日(土)午後2時頃、福井県越前市で田中蓮くん(当時3歳)が行方不明になった。
蓮くんはこの日、父親の了士さんと一緒に車で了士さんの勤務先に向かった。
勤務先に着くと駐車場に車を止め、了士さんは蓮くんを残し、カギを掛けずに車を離れた。
待っている間、蓮くんは助手席に座りスマホでアニメを見ていた。
そして、約10分後に了士さんが車に戻ると、蓮くんの姿はどこにもなく、スマホだけが残されていた。
了士さんは懸命に周辺を捜索したが、蓮くんを発見する事ができなかったため、直ぐに母親に電話を掛け、福井県警にも連絡した。
福井県警は直ぐにダイバーの捜査員なども含め100人体制で捜索を開始し、蓮くんが行きそうな場所をくまなく捜したが、蓮くんを発見する事はできなかった。
その後、事件と事故の両面でも捜査し、周辺の防犯カメラも確認したが、蓮くんの姿はどこにも映っていなかった。
雨が降った事で蓮くんの足跡は消えてしまっており、捜査は難航した。
蓮くんを発見できないまま約1ヶ月が過ぎた2018年1月19日、九頭竜川の河口で蓮くんの遺体が発見された。
発見したのは釣りに来ていた男性で、この場所は蓮くんが行方不明になった場所から約42kmも離れていた。
遺体は死後1~1ヶ月半が経過しており、死因は低体温症か溺死と判明した。
福井県警は目立った外傷がない事から、事件性は低いと判断した。
「父親が疑われた」
父親の了士さんは、蓮くんの遺体が発見された1月19日に、テレビのインタビューを受けた。
その時の表情が少し笑っているように見えた事で、蓮くんが居なくなって喜んでいるのではないかという疑惑を向けられた。
しかし、アップされた画像は動画を一時停止した時の画像で、ずっと笑っていた訳ではないようだ。
恐らく、蓮くんが亡くなった悲しみと、発見できた安堵の気持ちが入り混じった事で、一瞬そのような表情になったのではないだろうか。
また、車を離れる時にカギを掛けていなかった事と、チャイルドシートを使っていなかったと思われる事も疑惑を向けられる原因となった。
「母親のツイッターが炎上」
母親は、ツイッターで蓮くんの情報を集めようとしていた。
しかし、表に全く出てこず、SNSを使って捜索しようとした事で、本気で捜す気があるのかと疑われてしまった。
更に、ハンドルネームを「りなぷ」にした事で、チャラいイメージも持たれてしまった。
ツイッターには、「小さい子をなぜ1人で放置した。バカ」、「親失格」などのツイートもされたが、これらのツイートに苦言を呈するツイートもされ、炎上していった。
「他殺説」
警察や消防は、川を40kmに渡り捜索した。
川の中にはダイバーが潜り、水位監視カメラも設置して1分置きにチェックしたが、服などの遺留品を一つも発見する事ができなかった。
これにより、溺れたのではなく殺されたのではないかと見られてしまった。
また、遺体発見時に蓮くんが履いていた靴が、行方不明時の説明と若干異なっていた事も、殺害説が広まる原因となった。
・行方不明時の説明 ⇨ グレーのスニーカー
・遺体発見時 ⇨ オレンジと紺のラインが入ったグレーのスニーカー
溺死の場合、川底を流されるため、衣服などは脱げる事が多いが、服も靴も履いた状態で発見されたため、他殺説が囁かれた。
更に、行方不明になった場所と発見された場所が40km以上も離れていた事で、殺されて捨てられたのではないかという噂も広がった。
「警察が事件性がないと判断した理由」
・殺害された後に川に捨てられたのであれば、肺に水が溜まる事はないが、司法解剖で肺に水が溜まっていた事が確認されたため、溺死と判断したのではないだろうか。
・人間は体温が28℃以下になると自発呼吸ができなくなり、致死性の不整脈も現れ、高度の低体温症になる。
行方不明時は12月で寒かったため、低体温症になる可能性は十分に考えられる。
大人なら自分で泳いで川から脱出できるかもしれないが、3歳児には難しいだろう。
・溺死した遺体は、驚くほど流されるケース(100km以上流される場合もある)もあるので、40km以上離れた場所で発見されてもおかしくはない。
結果的には事件性なしと判断されたが、家族を疑うような声は今もあるようだ。
蓮くんが発達障害だった事を、祖父が煩わしく感じていたというような事をインタビューで言っていたという噂もある。