インフルエンザの感染拡大を防止するための基礎知識

インフルエンザの感染拡大を少しでも防止するためには、インフルエンザの事を詳しく知り、普段からなるべく感染しない・感染させないような行動を心掛ける事が大切となる。

ここでは、インフルエンザとはどのようなもので、どのような種類があるのか、新型インフルエンザとはどのようなものか、インフルエンザと風邪の違い、潜伏期間、感染拡大の防止策などを説明しようと思う。

 


【インフルエンザとは?】

 

インフルエンザとは、口や鼻から体内に入ったインフルエンザウイルスが、喉の粘膜などで増殖する事により起こる急性呼吸器感染症の事を言う。

国内の季節性インフルエンザは、12月~3月に流行する事が多く、子供から高齢者までを合わせて毎年約1,000万人という多くの人が発症している。

 


【新型インフルエンザとは?】

 

新型インフルエンザは、これまで流行していたタイプのインフルエンザウイルスとは異なるインフルエンザウイルスの事を言い、ほとんどの人がそのウイルスに対する免疫がないため、世界中で大規模な流行を引き起こす。

 


【インフルエンザの種類は?】

 

インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型があり、大きな流行の原因となるのはA型とB型。

近年、国内で流行しているインフルエンザウイルスは、A(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型(香港型)、B型の3種類で、A(H1N1)亜型ウイルスは、ほとんどが2009年(平成21年)に発生したH1N1pdmウイルスだ。

A(H1N1)亜型ウイルスの中でも2009年(平成21年)より前に季節性として流行していたAソ連型は、2009年(平成21年)のインフルエンザ(H1N1)pdm09ウイルス発生後は検出されていない。

これらの3種類のウイルスは毎年世界中で流行を繰り返しているが、流行するウイルス型や亜型の割合は、国や地域、その年ごとに異なっている。

 


【インフルエンザと風邪の違い】

 

「風邪の症状や特徴」

風邪は様々なウイルスによって起こり、普通の風邪の多くは喉の痛みや鼻汁、くしゃみ、咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られず、発熱もインフルエンザほどは高くなく、重症化する事はほとんどない。

 

「インフルエンザの症状や特徴」

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染する事で発症し、38℃以上の高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるという特徴がある。

これらの症状に加え、普通の風邪と同じように喉の痛みや鼻汁、咳などの症状も見られる。

子供の場合は稀に急性脳症となり、高齢者や免疫力が低下している人の場合は、二次性肺炎を伴うなど重症化する事がある。

 


【インフルエンザの潜伏期間】

 

インフルエンザの潜伏期間は、1~2日と言われている。

前駆症状には、体のだるさや強い悪寒、鼻腔や喉の乾燥などがあり、普通の風邪と似ているが、風邪の場合はこのような症状を感じてから熱が出たり、全身の倦怠感があったりなど、明らかな感冒症状が出始めるまで期間があるが、インフルエンザの場合はこのような前駆症状を感じるか感じないかくらいの間に、直ぐに高熱やだるさ、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が現れる。

また、インフルエンザは発症する1日前から感染力を持っているため、感染した当日から周りの人に飛沫感染や接触感染する可能性がある。

感染力は発症後1週間ほど持続し、特に発症から3日ほどは感染力がピークに達すると考えられている。

 


【感染経路】

 

感染経路には、飛沫感染と接触感染がある。

 

「飛沫感染」

インフルエンザに感染している人の咳やくしゃみ、会話などでインフルエンザウイルスを含んだ飛沫が飛び散り、それを感染していない人が口や鼻から吸い込む事でウイルスが体内に入り、増殖する事でインフルエンザを発症する。

 

「接触感染」

インフルエンザに感染している人が咳やくしゃみ、鼻水などが付着した手で、ドアノブや電気のスイッチ、リモコン、手すりなどに触れ、その後同じ所を感染していない人が触る事で、間接的にインフルエンザウイルスに感染する。

 


【インフルエンザの感染拡大を防止するには?】

 

「マスクを着用する」

インフルエンザの感染拡大を防止するためには、先ずは他人にうつさない事が大切となる。

咳・くしゃみが出る時はマスクを着用し、マスクを持っていない場合はティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、周りの人から顔をそむけて1m以上の距離をとってから咳やくしゃみをするようにしよう。

また、鼻汁・痰などを含んだティッシュは直ぐゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた場合は直ぐ手洗いをするようにしよう。

更に、周りに咳やくしゃみをしているのにマスクを着用していない人がいる場合は、マスクの着用をお願いするようにしよう。

 

「接触感染予防に効果的な手洗い方法」

石けんを泡立てながら手のひらを洗い、手の甲・指の間・親指の周り・指先と爪・手首の順に15秒以上かけて洗う。

洗った後はペーパータオルで拭き取り、拭き取ったペーパータオルは速やかに捨てる。

 

「インフルエンザの検査」

インフルエンザへの感染が疑われる場合は検査をするようにしよう。

医療機関では、迅速抗原検出キットを使い、鼻や喉の粘液や鼻水を採取し、キットを用いて検査すると、感染の有無やウイルスの型が短時間で分かる。

但し、症状が現れる前のウイルスが少ない時期に検査した場合や、検査する材料の採取が上手くいかなかった場合は、感染していても陽性にならない場合がある。

 

「予防接種」

インフルエンザワクチンには、発症をある程度抑える効果や重症化を予防する効果がある。

特に高齢者や基礎疾患のある人など、罹患すると重症化する可能性が高い人には効果が高いと考えられる。

接種回数については、ワクチンの添付文書には「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されているが、健康な成人の人や基礎疾患(慢性疾患)のある人を対象に行われた研究から、インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があるため、13歳以上の人は1回接種が原則となっている。

但し、医学的な理由で医師が2回接種が必要と判断した場合は、その限りではない。

 


【家族へのインフルエンザ感染を防ぐには?】

 

家族の誰かがインフルエンザに感染した場合、別室などに隔離すべきだという事はよく知られているが、食事などの世話もあるため、隔離しただけでは十分な対策とは言えない。

日本感染症学会インフルエンザ委員会委員で東京病院統括診療部長を務める永井先生が勧める感染予防対策は次のようになっている。

・看病する人を誰か1人に絞る。

・インフルエンザ患者のいる部屋に入る時は、お互いマスクを着用し、会話をする時は飛沫感染を防ぐため、1.5m以上の距離を取るようにする。

・インフルエンザウイルスは、手や指を介して接触感染するため、患者が触ったドアノブやテレビ・エアコンのリモコンなどはアルコールで消毒し、感染していない家族も手洗いや消毒をするよう心掛ける。

・患者の熱が下がっても他の部屋には極力行かせず、2日間くらいは別室で様子を見る。

 

また、インフルエンザの流行期は、保菌者が常に職場や学校、近隣にいると考えた方がいいので、外出時はマスクを着用し、帰宅後は手洗い・うがいをし、食事前にシャワーを浴び、口や鼻・髪の毛などに付着したウイルスを洗い流すよう心掛けよう。

更に、職場や学校などの同僚に感染者が出た場合は、自分も感染している可能性があるので、家に帰ってもマスクを着用するのが望ましい。

 

 

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