今、海外から日本の入れ墨を求めてやって来る外国人が増えているようだ。
日本の手彫りの入れ墨には何百年もの歴史があり、西洋では以前から注目されていたようで、最近になって大流行している。
しかし、日本では入れ墨やタトゥーに対する風当たりは未だに強く、就職に不利だったり、温泉やプールに行けば断られる事も多い。
2017年9月に大阪地裁で行われた裁判では、「入れ墨を彫るには医師免許が必要である」という司法判断が下され、未だ議論は絶えない。
アメリカ人は全人口の約14%がタトゥーを入れているのに対し、日本人は約2%とかなり少ないのが現状だ。
入れ墨やタトゥーを入れる人には、どのような特徴があるのだろうか?
また、入れた場合どのようなリスクが考えられるのだろうか。
【入れ墨やタトゥーを入れる人の特徴】
・ファッション感覚
入れ墨を入れる人の多くは、カッコいいという理由で入れる場合が多いようだ。
女性が好きな服を着たり、ネイルを楽しんだり、髪型を変えるような感覚だろうか。
しかし、入れ墨やタトゥーは一度入れてしまうと服やネイル、髪型のように簡単に変える事はできないので、勢いやノリで入れる事はオススメできない。
・自分らしさを表現するため
自分らしさを表現するために入れ墨やタトゥーを入れる人もいる。
「自分は人とは違うんだ」とか「強く見せたい」などの自己顕示欲から入れ墨やタトゥーを求めるようだ。
これは自分に対するコンプレックスの現れだそうだ。
・憧れの人とお揃いにしたい
好きなアーティストやスポーツ選手などの有名人と同じ入れ墨やタトゥーを入れたいという人も多いようだ。
これは憧れの人に少しでも近づきたいという心理からくるようで、憧れの人の顔を入れる人もいるようだ。
しかし、その人に憧れている間は良いが、憧れの人が変わってしまった場合、後で後悔する事になるかもしれないので、よく考えてから入れるか入れないかを決めた方がいいだろう。
・恋人とお揃いにしたい
付き合っている人が入れているから私も同じ入れ墨やタトゥーを入れたいとか、2人同時に同じ入れ墨やタトゥーを入れたり、記念日を入れる人もいるようだ。
しかし、付き合っている間は良いが、別れてしまったら間違いなく後悔する事になるので、入れる場合はこの人と一生添い遂げるという覚悟が必要かもしれない。
・傷跡を隠すため
手術で切開してできた傷や事故でできた傷などを隠すために、入れ墨やタトゥーを入れる場合もある。
人に傷跡を見られるのが嫌だったり、自分で傷跡を見た時に、当時の辛い思い出が蘇ってしまうようだ。
しかし、傷跡部分に入れ墨やタトゥーを入れる事で、新たなスタートを切ろうという前向きな気持ちになれるようだ。
【入れ墨やタトゥーを入れた場合に考えられるリスク】
・付き合っている相手の親に反対される
入れ墨やタトゥーは、若者の間では受け入れられるかもしれないが、親世代の人の理解を得るのは難しいようだ。
サラリーマンの家庭なら特にそうではないだろうか。
いくら優しくて良い人でも、入れ墨やタトゥーが入っていればなかなか信用されないし、世間の目もあり、旅行にも一緒に行けないかもしれない。
親に隠して結婚している人もいるようだが、バレた場合は離婚させられるかもしれない。
・就職や出世に不利
普通の会社なら入れ墨やタトゥーは御法度だろう。
特に一部上場企業の場合は、会社のイメージがあるので言語道断だ。
仮にバレずに入社できたとしても、バレた場合は出世の道が途絶えたり、首も覚悟しなければならないだろう。
・病気のリスクが高まる
入れ墨やタトゥーは針で皮膚を傷つけてインクを注入するため、消毒が不完全だったり針を使い回した場合、B型肝炎やC型肝炎、エイズウイルスなどの怖い感染症にかかる恐れがある。
彫り師によっては高い器具を使用しているため、消毒して使い回している場合もある。
ウェブサイトで「針は使い捨て」や「使用する器具は専用の消毒器で全て殺菌」と記載している彫り師もいるので、入れる場合はよく確認する事をオススメする。
・MRI検査を受けられない場合がある
入れ墨やタトゥーのインクには、酸化鉄などの金属材料が使用されている場合が多い。
MRI検査はCT検査と違い、磁場と電波を使用して画像を撮るため、高周波磁場で誘導加熱作用が起こり、熱を帯びてしまい、火傷や変色を起こす場合がある。
火傷や変色を起こす頻度は少ないようだが、リスクがある事は間違いない。
撮影条件の調整をしたり、低磁場装置を使用すれば、火傷の可能性は抑えられるようだが、いずれにしても同意書にサインした上で、後は医師の判断に委ねられるようだ。
・キレイに消せない場合がある
入れ墨やタトゥーを入れても、結婚を考えたり、温泉やプールに行けないなどの理由で、入れた事を後で後悔する人が約9割もいるようだ。
しかし、消すとなるとかなりの痛みが伴うようで、血がにじんだり、ろくに入浴もできなかったり、治療費も総額で100万円を超える場合もある。
しかも、キレイに消す事は難しく、柄は消えても傷が残ってしまう場合が多いようだ。
タトゥーの場合なら、比較的皮膚の浅い部分に色素が入っている事が多いようなので、色素レーザーで消す事ができるようだが、和彫りは皮膚の深い部分に色素が入り込んでいる場合が多いようなので、消すのは難しいらしい。
処置としては墨が入っている部分を切り取って縫い合わせるか、別の場所の皮膚を移植するしかないようだ。
特に胸や下腹部、二の腕に入れた入れ墨やタトゥーは消しにくいそうだ。
後で後悔しないためにも、正しい知識と相当な覚悟がない限り、ボディペイントくらいにしておいた方がいいかもしれない。
【入れ墨やタトゥーに対する世間の反応は?】
・海外の方がタトゥーを入れるのは自由でしょうが、日本がそれを真似る必要はありません。
しかも海外でもスポーツ選手以外のアッパークラスでタトゥーを入れてるのは極めて少数です。それはタトゥーを入れることのデメリット(健康への害や年老いた時に見た目を損なう)をちゃんと理解してるからです。
ファッションで入れたいのならシールで十分です。
・簡単にも完全にも消せない入れ墨を軽々しく入れるのもどうかとも思うが、日本に住む訳じゃないから今住んでいるところで問題がなければいいのでは?
・日本の技術は本当に素晴らしいと思う。発色もきれいだし。分かってもらえて誇りに思う。
でもやっぱり自分はいれないし、アスリートは少しの身体へのダメージも影響すると思うので、いれない方がいいと思う。
と友達に言ったら、アクセサリーもつけない方がいいだろうし、髪の毛も染めない方が身体的にはいいかもしれない。でも、それによってテンションがあがるなら、メンタル的にはとてもいい状態だから、それはそれでよい結果になると思うと言われ、それも納得。
本人がよければいいんだろう。
・欧米のタトゥーを入れる若者が増えた事、その若者が日本の伝統刺青を入れるようになり、それをタトゥーと同じようにファッションとして見せて歩くようになった事が、おかしくなった原因。欧米はタトゥーを見せる文化。日本は刺青を隠す文化。今の時代、それが混ざってる状況。
・刺青を入れてしまったら、日本では銭湯も温泉もプールにも入りにくかったり、入れなかったりする事を分かって入れるならば良いのでは?
そのことを、刺青屋さんがきちんと事前に説明する義務があるようには思う。
芸術であり、伝統の一つでもある。
別に海外の悪い人達が日本に押し寄せてくるわけでも無さそうですしね。
オシャレ感覚なのだろうから。
アメリカやイギリスは、タトゥーを入れている人の割合が多く、就職が不利になるような事はないと思うかもしれないが、実際はそんな事はない。
イギリスのある記事によると、タトゥーを入れている人と入れていない人が居て、能力が同じ場合は、タトゥーを入れていない人を採用するケースが多いようだ。
アーティストやスポーツ選手、自営業の人は入れていても支障がないかもしれないが、会社員として働く場合は、日本に限らずどの国でも印象が悪くなり不採用になる可能性が高い。
また、結婚もできなかったり、温泉やプールにも行けなくなるし、怖い感染症にかかるリスクも高くなり、消すとなったら高額な治療費を払って痛い思いをしなければならないし、キレイに消せる可能性も低いので、できれば入れない方がいいのではないだろうか。
もし入れる場合は、正しい知識と相当な覚悟が必要だろう。