【北山結子さん失踪事件】
北山結子さん失踪事件は、1997年(平成9年)に三重県多気郡で発生した失踪事件である。
1997年6月13日午後8時30分頃、三重県多気郡明和町地内で県立松坂工業高校3年の北山結子(きたやま ゆうこ)さん(当時17歳)が行方不明になった。
北山さんはこの日、学習塾の採点のバイトをしており、午後8時頃に母親が車で迎えに来たが、「友人の所へ行く」と言い、車に乗らずそのまま母親と別れた。
北山さんは小中学校で同級生だった親友と中間テストの試験勉強を一緒にする約束をしており、午後8時30分頃、学習塾から約200m離れた所にある町役場近くの公衆電話から親友に「これからそっちに行くから」と電話を掛けた後、行方が分からなくなった。
この時、北山さんは自転車に乗っていたが、自転車も持っていたカバンも見つかっていない。
行方不明になった事を知った友人が、毎日北山さんのポケベルに「ドコニイルノ」などのメッセージを自宅の電話番号付きで送り続けたが、北山さんからの返信はなかった。
事件に書き込まれた可能性もあるので、不用意に電話番号を入れない方がいいという判断で、途中からはメッセージだけを送るようにしたが、1人の友人だけは電話番号付きのメッセージを送り続けた。
すると6月16日以降、電話番号付きのメッセージを送り続けていた友人宅に何度も無言電話が掛かってくるようになった。
そして、数日後に電話に男が出て、「北山結子さんは駅に送って別れた」と応えたという。
男は北山さんのポケベルを持っている理由について、「北山結子さんに5万円貸した。ボケットベルはその担保として預かった」と言い、「会ってもいい」とも言ってきた。
そして6月22日、この友人と北山さんの母親は、警察が周りを取り囲む厳戒態勢の中、男に指定されたショッピングセンターに向かったが、男は現れなかった。
その後、6月25日夜に男から「ボケベルを返す、取りに行ってくれ」と電話があり、友人と北山さんの母親は指定された三雲町(現在の松阪市)のバス停に行き、北山さんのポケベルを発見した。
北山さんのポケベルには、金色の鎖を付けた金属製のハローキティの鈴が鳴るキーホルダーが付いていたが、発見された時は無くなっていた。
犯人が、鈴が鳴る事や若い女性が持つような物を持っていると怪しまれると思い、取り外したのではないかと考えられている。
更に、6月27日に男から「ボケベルはちゃんと受け取ったか」と電話があった。
この電話の逆探知に警察が成功し、婿野町内の公衆電話前に居た自称露天商手伝いの男 (当時46歳)を逮捕した。
電話の声と男の声紋も一致し、男のポケットには北山さんの青い柄のハンカチが入っていた。
逮捕時、夏で暑いため男の服装は軽装だったが、両手に手袋をしているなどの不自然な点もあった。
その後の警察の調べで、この男が連続婦女暴行や強盗などの罪で12年間服役していた事が判明した。
過去の犯行手口は、自転車に乗った女性に体当たりして転倒させ、乱暴した上で金品を奪うというものだった。
男はワゴン車を所有しており、ワゴン車の左前のウインカーのプラスチック部分は破損し、バンパーにも何かに衝突したような跡が見られた。
車内には北山さんの物と見られる漢和辞典があり、漢和辞典の中には北山さんの友人のポケベルの番号が記入されていた。
また、車内には6月13日以降の伊勢市内の有料道路「伊勢二見鳥羽ライン」の領収書や毛髪約100本、繊維片なども発見された。
更に、男は松阪市内にあるガソリンスタンドを週1回のペースで利用しており、公衆電話で電話中の北山さんの横にワゴン車が停まっていたという目撃証言もあった。
警察はワゴン車に付いた傷から、男が公衆電話近くにいた北山さんをワゴン車で跳ね、自転車ごと車に乗せて連れ去ったと見ていたが、男の犯行を立証する事はできず、証拠も不十分である事から、7月に処分保留で釈放された。
北山さんは行方不明になる数日前に友人に「怪しい車につけ回された、怖い」と話していたという。
北山さんの行方は現在も分かっておらず、松阪警察署は北山さんの写真などの情報を公開し、情報提供を呼び掛けている。
<連絡先>
松阪警察署
電話:0598-53-0110
「北山さんの情報」

・名前:北山結子(きたやま ゆうこ)さん
・生年月日:昭和54年7月20日
・当時の年齢:17歳
・身長:150cmくらい
・体型:中肉
・当時の髪型:おかっぱ
・当時の服装:学生服上下(白色の半袖ブラウス、黒色のベスト、黒色のスカート(ひだ入り)、白いソックス、黒い布製の靴(サイズ23.5cm))
北山さんが乗っていた自転車と持っていたカバンの画像
