【名古屋市中川区老夫婦強盗殺人事件】
名古屋市中川区老夫婦強盗殺人事件は、2006年(平成18年)に愛知県名古屋市で発生した強盗殺人事件である。
2006年6月8日午前10時5分頃、愛知県名古屋市中川区大当郎3丁目にある無職の西垣徳市さん(当時81歳)宅で、西垣さん夫婦が倒れているのが発見された。
発見したのは訪ねてきた徳市さんの弟で、西垣さん夫婦は粘着テープのようなもので縛られていた。
徳市さんの弟が110番通報し、中川警察署の署員が駆け付けた時には妻の八重子さん(当時80歳)は既に死亡していた。
徳市さんは命に別状はなかったが、胸や腹部に数ヶ所の打撲を受け、肋骨が5本も折れる大ケガを負い、脱水症状を起こしていた。
また、室内には物色した形跡もあった事から、中川警察署は強盗殺人事件として捜査を開始した。
司法解剖の結果、妻の八重子さんは肋骨が複数折れ、胸などには打撲による皮下出血が認められたが、死因を特定する事はできなかった。
その後の捜査で、犯人は単独犯ではなく複数人のグループである事が判明した。
犯人グループは6月5日の夜から翌6日の未明にかけて、1階風呂場の窓のアルミ製の格子を工具でねじ曲げ、人が通れるくらいの穴をあけ侵入したと見られている。
そして、就寝中だった西垣さん夫婦を襲い、財布から現金数十万円を奪って逃走したと見られている。
徳市さんは、「眠っていたら、犯人にいきなり馬乗りにされ、目隠しされた。」と話しており、2人は布製の粘着テープで目と口を塞がれた後、暴行され手足を縛られた。
犯人らはその後、執拗に室内を物色しており、引き出しや押し入れの中は酷く荒らされ、家具も動かされていた。
1階の和室には複数の預金通帳が散らばっていたが、手はつけられていなかった。
他にも西垣さん夫婦が所有していた、複数の腕時計や金杯などがあったが、それらは残したまま現金だけを奪って逃走したと見られている。
現場は近鉄名古屋線伏屋駅から南に約1km行った所にある閑静な住宅街で、この地区ではここ数ヶ月の間に空き巣被害が数件発生していた。
住民らは「いつかこんな事が起こるのではないかと不安に思っていた。」と話していたという。
住民の話によると、西垣さんは昨年まで現場から約200m離れた庄内川沿いの一軒家に住んでいたが、堤防の改修工事で立ち退きになり、今の住居に移ったという。
西垣さん夫婦には子供が1人おり、近くの田畑などの土地を数ヶ所所有している。
趣味も兼ねて農業を営んでいたようで、夫婦で楽しそうに作業している姿が見られていた。
また、採れた野菜などを近所に配るなど、世話好きだったという。
未だ犯人に結び付くような有力な情報は得られておらず、中川警察署はこの事件に関する情報提供を呼び掛けている。
この事件は2007年5月1日に、第1回捜査特別報奨金制度の対象となっており、犯人逮捕に直結する最も有力な情報を提供した人には、懸賞金が支払われるようになっている。
<連絡先>
中川警察署
「中川区大当郎地内老夫婦被害強盗殺人事件」特別捜査本部
電話:052-354-0110(内線332)
「現場の地図」

「現金以外の被害品」

現金以外に懐中時計が盗まれていた。
上の写真は被害品と同一の物で、軍人等、先の戦争に従事した人が、その期間や従事内容によって軍人恩給が貰えない人を対象に贈られた物のようだ。