老後に2,000万円必要な年金問題!対策はあるのか?

人生100年時代と言われている現代で、現在60歳の人の4人に1人が95歳まで生きると言われている。

そして、もし95歳まで生きると仮定した場合、65歳で仕事をリタイアし、夫婦2人で残りの30年間を生きるためには、年金以外に2,000万円以上の貯蓄が必要だと言われている。

これは金融庁の報告書によるもので、詳細は下図のようになっている。

毎月5万円の赤字が出る試算を示した図
出典:日本経済新聞

 

しかし、2017年度の総務省統計局の家計調査報告によると、2,000万円以上貯蓄がある世帯(2人以上の世帯の場合)の割合は全体の28.6%で、7割以上の世帯が2,000万円以下となっている。

更に、これは年金などの収入が毎月約21万円ある場合の試算で、今後はマクロ経済スライドにより年金受給額が減額される事は間違いない。

マクロ経済スライドについては後で説明するが、これでは大半の世帯が95歳まで安心して生活できない事になる。

中には貯蓄や年金が少なくても子供に面倒を見てもらえる人もいるかもしれないが、そうでない人もいるだろう。

そこで、この年金問題を解決するためにどのような対策をすればいいのか見ていこう。

 


【マクロ経済スライドとは?】

 

先ず、マクロ経済スライドについて説明しよう。

マクロ経済スライドは2004年に導入された制度で、年金加入者の減少や平均寿命の延び、そして社会の経済状況を考慮して年金の支給額をカットする制度の事だ。

つまり、国民年金や厚生年金を払う現役世代の減少や寿命の延び、景気悪化を考慮し、それに合わせて年金支給額も減らすという事だ。

 

第二次世界大戦以降、日本の出生率は減少しており、このまま行けば2055年には日本の人口は約9,000万人まで減少すると言われている。

しかも、65歳以上の高齢者の割合が4割を占めると予想されている。

これでは年金を払う現役世代が不足し、それに合わせて年金支給年齢もどんどん延び、支給額も減少してしまう。

しかし、少子化は50年前から懸念されていた事で、今に始まった事ではない。

50年前から分かっていたにもかかわらず、政府がきちんとした対策をしてこなかったからこうなっているのだ。

その尻拭いを国民がさせられるという訳だ。

年金制度は既に破綻しているのではないだろうか。

個人的には、年金は要らないから今まで払った分を返してほしいくらいだ。

受給年齢も延び、支給額も減るなど到底納得できるものではない。

 

今の政府の考えは、「年金の不足分は自分で何とかしなさい」だ。

これが国民の血税で生活している人間の考え方だろうか。

しかし、文句を言っても始まらないので、年金問題を前向きに考えてみよう。

 


【年金問題の対策は?】

 

年金には、国民年金・厚生年金・共済年金というのがあるが、共済年金は2015年に厚生年金に一本化されたので、ここでは国民年金と厚生年金について見てみよう。

年金の平均月額は、

・国民年金 ⇨ 約5万5,000円

・厚生年金 ⇨ 約14万7,000円

となっている。

これを見ると金融庁の試算にはほど遠く、国民年金だけではまず生活できない。

では、具体的にどのような対策があるのか見ていこう。

 

「年金対策1:個人年金保険に加入する」

個人年金保険は個人で加入する年金保険だ。

種類は、確定年金・終身年金・有期年金・変額個人年金・外貨建て年金と色々ある。

 

・確定年金

確定年金は、被保険者の生死にかかわらず、一定期間年金を貰う事ができる。

受け取り期間を60歳から10年としたものが最も一般的だ。

 

・終身年金

終身年金は、被保険者が生きている限りずっと貰い続ける事ができる。

保険料は高めだが、長生きすればするほどお得になる。

 

・有期年金

有期年金は、被保険者が生きている限り10~15年といった一定期間年金を貰う事ができる。

ただし、早死にすると元本割れで損をしてしまう。

 

・変額個人年金

変額個人年金は、保険会社の運用実績によって年金額が変動する。

うまく行けば払った以上に貰えるが、逆もある。

 

・外貨建て年金

外貨建て年金は、変額個人年金をドルやユーロなどの外貨で行う。

為替レート次第で貰える金額が大きく変動し、為替手数料や解約手数料なども必要になるため、他の保険よりもコストが高くなる。

 

 

個人年金保険は、老後のための先行投資のようなものだ。

種類も色々あるので、自分に合ったものを選ぶといいだろう。

ただ、元本割れにならないよう注意が必要だ。

 


「年金対策2:受給繰り下げ」

現在、年金は65歳から貰う事ができるようになっているが、70歳から貰う事もできる。

1ヶ月繰り下げると年金額が0.7%アップするようになっており、70歳まで繰り下げると42%もアップする。

できれば長くは働きたくないと思うが、老後の生活のために元気なうちは頑張って働くのも一つの方法だ。

 

ただ、今後は75歳まで繰り越しできるようになる可能性がある。

そうなると問題になるのが雇用だ。

果たして75歳まで働けるのだろうか。

政府は75歳まで繰り越したいから75歳まで働けるように法改正しようとするだろうが、そう簡単に事は運びそうにない。

それは、先日の会見でトヨタ自動車の豊田社長が「終身雇用を守っていくのは難しい」と発言しているからだ。

その背景には、グローバルでのコスト競争の厳しさなどがあるようだ。

更に、経団連の中西会長も「一生雇い続ける保証書を持っているわけではない」と述べ、雇用慣行の見直しを唱えているのだ。

経団連と言えば、日本を代表する企業などで構成されている団体だ。

その会長がこのような発言をしたとなると、今後多くの企業で雇用の見直しがされる可能性は十分にある。

そうなると、今のように60歳で定年ではなく、50歳で定年という事も考えられるのではないだろうか。

 

経団連が何と言おうと政府が強行すれば問題ないだろうと思う人もいるかもしれないが、自民党は経団連の組織票を得て成り立っているので、経団連の意見を無視する事はできないのだ。

もし、定年が早まるような事になれば、年金どころの話では無くなってしまいそうだ。

今後どうなるのか政府や企業の動向に注目したい。

 


「年金対策3:投資」

もし、余剰資金がある場合は投資信託などに投資してみるのも一つの方法だ。

ただ、投資をする場合はメリット・デメリットをしっかり検討し、老後も続けられるかもしっかり検討しなければならない。

 


「年金対策4:生活を見直す」

年金だけで生活できるように、今のうちから生活習慣を改善しておくといいだろう。

例えば、年金が15万円貰える場合、15万円以内で生活できるように心掛ける。

キャッシュレスは支出を把握しにくいので、出来るだけ現金払いを心掛けるのもいいだろう。

ただ、我慢し過ぎるとストレスになるので、程よく倹約するのが長続きのコツではないだろうか。

 


「年金対策5:生活保護」

年金だけではどうしても生活できない場合は、生活保護を受ける事ができる。

生活保護費は、「一定水準の生活をするために国が定めた必要な生活費の最低額」で、申請すれば生活費の不足分を貰う事ができるが、本当に最低生活費なのでかなり安い。

高齢者世帯の場合の支給額は以下のようになっている。

 

・高齢者単身世帯(68歳)の場合

東京都区分等 ⇨ 78,470円

地方郡部等 ⇨ 64,420円

 

・高齢者夫婦世帯(68歳、65歳)の場合

東京都区分等 ⇨ 118,880円

地方郡部等 ⇨ 98,660円

 

ただし、上記金額は収入が0円の場合の支給額なので、いくらか年金などの収入がある場合は、この金額からその収入分を差し引いた金額が支給される。

これは食費・被服費・光熱水費に対しての金額なので、他に家賃や医療費が必要な場合は別途支給されるようになっている。

また、生活保護を受けるためには以下の条件を満たす必要がある。

 

・不動産は原則売却

不動産がある場合は、原則売却しなければならない。

ただ、資産価値がないと認められた場合は、持ち家に住み続けながら受給する事ができる場合もある。

また、住宅ローンが残っている場合も、原則受給する事ができないので、現在の資産価値と住宅ローンの残高の両方を把握しておこう。

 

・車・バイクは原則売却

マイカーやバイクを所有していると原則受給できない。

これは車やバイクは贅沢品と見なされるためだ。

「それを売れば生活できるでしょ」という考え方だ。

ただ、身内の介護や仕事のためなど、生活するためにどうしても必要と認められた場合はこの限りではない。

 

・借金があると受給できない

借金があると、個人の借金を国が肩代わりする事になるため、原則受給できない。

借金があっても受給申請はできるが、まず通らないので、事前に返済しておく必要がある。

 

・仕事をする事が前提

健常な人は仕事をするのが大前提で、仕事をしてもどうしても生活費が足りない場合に不足分を受給できる。

ただし、病気やケガ、家族の介護で仕事が出来ない場合は、この限りではなく、仕事が出来ない理由が認められれば受給できる。

 

・預貯金は認められない

預貯金があれば基本受給はできないが、月の生活費の半分くらいであれば認められる。

金額にすると、だいたい5~8万円くらいだ。

また、クレジットカードの所持は認められるが、使用すると借金扱いになるので使用は認められない。

 

・生活必需品以外は全て売却

生活保護を受給する場合は、生活必需品以外は全て売却しなければならない。

テレビ・エアコン・炊飯器・洗濯機などは生活必需品なので認められるが、アクセサリーや高級家具のような贅沢品は認められない。

 

・親族からの支援が受けられない人

自分にお金がなくても親や子供などの親族に資産があり、そこから援助を受けられると判断された場合は受給できないので、頼れる身内がいない事が条件になる。

 

・利用できる公的制度がない人

母子寡婦福祉資金や求職者支援などの他の公的制度を利用できる場合は、そちらが優先されるため受給できないので、利用できる公的制度がないか調べる必要がある。

ただし、公的制度を利用した後も生活が苦しい場合は受給する事ができる。

 

 

生活保護は最終手段なので、本当に他に支援してもらえる制度や身内がいないか確認する必要がある。

また、受給するためには身の回りの全てを調べられ、家族に連絡される場合もあるが、どうしても生活できない場合は受給申請するしかないだろう。

 


【まとめ】

 

5つの年金対策を挙げたが参考になっただろうか?

少子化問題が改善されなければ、この先年金が減額されるのは間違いない。

それでも年金だけで生活できる場合はいいが、そうでない場合は切り詰めた生活を余儀なくされるのが現実だ。

大半の人がそうなるだろう。

政府が少子化問題に50年前から真剣に取り組んでいれば、こんな事態にはならなかったかもしれない。

どうしても生活できない場合は生活保護を受けられるが、支給額は5年毎に見直され、徐々に減額されている。

そんな切り詰めた生活を余儀なくされるくらいなら長生きはしたくないと思ってしまう。

 

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