2019年10月1日から消費税率が8%から10%に引き上げられる。
8%の現在でも苦しい家庭は多いのではないだろうか?
最近、スーパーに買い物に行くと、5%OFFの日にやたらお客さんが多いように思う。
以前は5%OFFの日でも、それほどお客さんは多くなかったように思う。
それなのに今では、開店前からお客さんが大勢並んでいるような状況だ。
生活が苦しいから少しでも節約しなければいけないという人が増えたからではないか。
それなのにどうして政府は10%に引き上げようとするのか。
そこで消費税増税は本当に必要なのか、消費税を上げる以外に本当に手はないのかを真剣に考えてみた。
【消費税増税は本当に必要なのか?】
自民党は、財政健全化や社会保障の充実、一部で教育無償化を実現するために増税が必要だとしている。
2%の増税によって見込まれる税収増は、5兆6,000億円となっており、その使い道は下図のようになっている。

確かにこの図を見ると、どれも必要な対策に思うが、問題なのは本当に増収分が正しく使われるかだ。
2014年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた時の税収増は約8兆円で、その使い道は年金や医療などの社会保障費を賄うとしていた。
しかし、れいわ新選組の山本太郎氏の話によると、実際に使われたのは8兆円のうちの16%ほどだそうだ。
では、残りの84%は一体何に使われたのか。
それは、一部の富裕層や大手企業への忖度に他ならない。
1980年は所得税の最高税率は75%だったのに対し、現在は45%にまで下がっており、金融資産(株などの利益)にかかる税の最高税率はわずか20.42%だ。
住民税にしても、サラリーマンは一律10%に対し、投資家は半額の5%になっている。
更に、法人税にしても大手企業だけが優遇されるような制度が幾つもある。
例えば、受取配当金の益金不算入という制度だ。
この制度は、法人が受け取った株式の配当金は税額を低くするという制度だ。
大手企業は、子会社や関連会社などの多くの株式を保有しており、配当金による利益の割合が多い。
つまり、一部の富裕層や大手企業の減税分を消費税増税により低所得者から回収しようとしているのだ。
所得が増えていないのに消費税増税により物価だけが強制的に引き上げられる。
これでは国民の生活が良くなるはずがない。
所得税の最高税率をアップし、大手企業だけが優遇されるような法人税の免税制度を廃止し、金融資産税の最高税率をアップすれば、消費税を増税しなくても済むのではないだろうか。
つまり、消費税が初めて導入された1989年より前の状態に戻すという事だ。
お金持ちは、少々税金が高くなっても生活に困ることはないが、低所得者には死活問題だ。
消費税が10%になると、5%から8%に引き上げられた時の何倍も消費が冷え込むのではないかと言われている。
それは、税金が上がるからに他ならないが、もう一つの理由は10%になると消費税の計算が容易になるからだ。
これ以上、消費が冷え込むと、この国は一体どうなってしまうのだろうか。
【消費税増税による問題点】
・問題点1:軽減税率
厚生労働省が実施した国民生活基礎調査の最新版によると、生活が「苦しい」・「やや苦しい」・「大変苦しい」と答えた人の割合は57.7%にもなっている。
この状態で消費税を10%に引き上げれば、更なる消費の冷え込みは必至だろう。
そうならないために政府が導入しようとしているのが軽減税率だ。
軽減税率とは、飲食料品などの必需品には消費税を8%のまま据え置く制度だ。

しかし、これが企業や消費者を悩ませる大きな問題となっている。
確かに肉や魚、野菜、卵、お菓子、新聞などの必需品に掛かる消費税は8%の据え置きになるが、一部例外の物が存在する。
それは付加価値のある物や外食、アルコール類などだ。
お菓子の場合、笛などの付加機能が付いている物に対しては消費税10%が適用される。
こうなってしまえば今後、笛などが付いたお菓子は消えてしまうかもしれない。
ファストフード店の場合、テイクアウトの場合は8%になるが、お店で食べた場合は10%が適用される。
つまり外食扱いになるわけだ。
最初は持ち帰りと言ってお金を払ったお客さんが、やっぱりお店で食べるというケースも少なくないという。
こんな事になれば、消費税2%分だけ再度支払わなければならなくなるため、お店側もお客さん側も大変だろう。
アルコール類の場合、お中元などでビールとジュースのセットなどをよく見かけるが、このセットになると消費税10%が適用される。
そうなれば、今後ビールとジュースがセットになった商品は売れなくなってしまい、なくなるだろう。
このように、とにかくややこしい軽減税率。
どうしたらいいか分からず頭を抱えているお店も少なくない。
政府は、誰にでも分かるようなもっと簡単な制度にしなければならないのではないか。
お菓子は付加価値があろうがなかろうが8%の据え置きでいいのではないか。
そもそも、飲食料品は全て8%のままでいいのではないだろうか。
・問題点2:キャッシュレス決済によるポイント還元事業
キャッシュレス決済によるポイント還元事業とは、2019年10月からの消費税増税に伴い、需要平準化対策として中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援するという制度だ。
つまり、クレジットカードなどで支払いをすると、最大5%のポイントが還元されるという制度だ。
対象となる決済手段は、クレジットカード・デビットカード・電子マネー・QRコードなど、電子的に繰り返し利用できる決済手段となっている。
しかし、現在のところこの制度に加盟している店舗は、全国に数百万店ある内の24万店ほどしかない。
これでは一部の店舗でしかポイントが還元されず、常に現金払いの人には何のメリットもない。
しかも、対象期間は2019年10月から2020年6月までのたった9ヶ月間だけだ。
期間が短く、とても不公平で、中小・小規模事業者や消費者に優しい事業とはとても思えない。
【まとめ】
デフレが20年以上続いている国は日本以外にない。
今こそ国民が本気にならないと、本当に取り返しのつかない事になるのではないだろうか。
国民が本気になれば、消費税を減税・廃止する事も不可能ではない。
実際に消費税を廃止した国もある。
それはマレーシアだ。
マレーシアは、2018年6月1日から消費税6%を廃止している。
それが出来たのは、国民が本気でそれを望んだからだ。
2019年7月21日に投開票された参院選の投票率は、24年ぶりに5割を下回る48.8%だった。
それだけ国民が選挙に関心がなく、どこに投票しても同じだと思っているからだろう。
その中で私が気になったのが、れいわ新選組だ。
その政策は、消費税廃止、最低賃金1,500円に引き上げ、奨学金チャラなどだ。
最低賃金1,500円に引き上げなど、本当に出来るのかと思える政策もあるが、消費税廃止や奨学金チャラはとても魅力的な政策だ。
消費税を廃止した場合、20兆円の財源が必要になる。
しかし、所得税の最高税率の引き上げ・大企業だけに優遇されている減税制度の廃止・金融資産税の最高税率引き上げなどを実施すると、29兆円の財源を担保できるのだ。
消費税を廃止しても9兆円のお釣りがくる計算になる。
れいわ新選組は、浮いた9兆円を奨学金チャラに充てようとしている。
現状、奨学金制度を利用している人は550万人以上存在する。
その内の6~7割の人が金利を支払わされている。
せっかく学校を卒業して就職しても、奨学金の返済に追われ、自分が生活するだけで精一杯になってしまう。
これでは貯金もできず、結婚したくてもできないではないか。
だから少子化問題が解決しないのではないのか。
れいわ新選組は、このように奨学金の返済に苦しむ人を救済し、家庭を持てる環境を作ろうとしている。
今の政府与党を応援しても、低所得者はジリ貧状態にどんどん追い込まれるようにしか思えない。
それならば大胆な政策に打って出る、れいわ新選組を応援した方が、まだ未来はあるのではないかと思ってしまう。
お金のある所から取らずに、ない所から更に搾り取ろうとする今の政治に私は賛成できない。
取る所がなくなって、どうしても全ての国民に少しづつ負担してもらわなければならない状況であれば理解できるが、そうではない。
しかし、投票に行かないという事は、結果的に余裕のない所から更に搾り取ろうとする今の政府のやり方を肯定している事になる。
余裕はないけど消費税を増税してくださいと言っているのと同じなのだ。
自民・公明の支持者は、有権者の3割ほどに過ぎない。
つまり、今回の参院選に投票していない5割以上の人が本気になれば簡単にひっくり返せるのだ。
次の衆院選は早ければ年末になるのではないかと言われている。
一人でも多くの人が政治に興味を持ち投票に行き、国民全員が幸せになれるような政治に変えてほしい。