【犬鳴村伝説】福岡県に法治が及ばない恐ろしい集落がある?

【犬鳴村伝説】

 

犬鳴村(いぬなきむら)は、福岡県の犬鳴峠の近くに存在していると言われている村で、法治が及ばない恐ろしい集落だという噂がある。

そして、その村に立ち入った者は生きて帰る事はできないという都市伝説があり、次のような多くの説がある。

 

「犬鳴村の諸説」

・日本の行政記録や地図から抹消されている。

 

・旧犬鳴トンネル前に「白のセダンは迂回してください」と書かれた看板がある。

 

・村の入り口に「この先、日本国憲法は適用しません」と書かれた看板がある。

 

・江戸時代より前から激しい差別を受けてきたため、村人は外部の人間との交流を一切拒み、自給自足の生活をしており、近親交配が続いている。

 

・村の入り口から少し入った所に広場があり、その広場にはボロボロのセダンが置いてある。

そして、その広場の先にある小屋には人骨が山積みにされている。

 

・旧道の犬鳴トンネルに柵があり、その柵を乗り越えた所に紐と缶を使用した罠が仕掛けられている。

そして、その罠に掛かると大きな音が鳴り、斧を持った村人が来るらしいが、村人は異常に足が速い。

 

・全ての携帯電話が圏外で使用不能になる。

 

・近くにあるコンビニエンスストアの公衆電話は、警察に繋がらないようになっている。

 

・若いカップルが面白半分で村に立ち入り、惨殺された。

 

このようにいろいろな説があるが、これらの説は全て嘘のようだ。

 

「犬鳴村伝説は嘘?」

犬鳴は江戸時代中期の1691年(元禄4年)より以前に、福岡藩庁が城下・地行町に住んでいた御譜代組足軽(ごふだいぐみあしがる)に移住を命じてできた村で、激しい差別を受けていた等の事実はない。

江戸時代中後期にかけて犬鳴にあった足軽墓地群の改葬時(昭和40年頃)に、多くの寛永通宝や宝永通宝、天保通宝、文久永宝などの銅銭、糟屋郡須恵で製作された須恵焼の皿、茶碗や徳利、刀の残骸、鍔(つば)などが出土したそうだ。

また、墓地群にあったほとんどの墓石に刻まれていた戒名は、軒号(けんごう)と庵号(あんごう)だったという。

軒号・庵号は院号ほどではないが、寺院や宗派に貢献した者や、公益が厚い者に贈られる号の事だ。

 

犬鳴を含めた吉川庄(旧若宮町の西半分にあたる地域=吉川村域)の総社である日吉山王宮(ひよしやまおうきゅう)の大宮司職の国井内膳(くにい ないぜん)が、1729年(享保14年)に犬鳴山古実という地誌に犬鳴の事を書いているが、外部との交流を拒み自給自足の生活をしていた事や、江戸時代以前より激しい差別を受けていた事などは記されていない。

江戸時代の地誌・筑前国続風土記(ちくぜんのくにぞくふうどき)の著者の貝原益軒(かいばら えきけん)は、1696年(元禄9年)に甥の好古と共に犬鳴を訪れている。

犬鳴の住民の代々の菩提寺(ぼだいじ)は、犬鳴から数km離れた所にある浄土宗と曹洞宗の寺院だったが、両寺院の過去帳にも一般の檀家として記されており、浄土宗寺院の本堂内には犬鳴檀家の祖霊位牌が安置してある御霊屋(みたまや)もある。

 

1854年(安政元年)には福岡藩中老の加藤司書(かとう ししょ)が犬鳴日原鉄山の建設を開始し、1865年(慶応元年)には有事の際の藩主の避難場所に犬鳴御別館を建造させ、福岡藩の要所の一つにしていたため、絶えず多くの人々が出入りしていたが、危険な集落の目撃談や原因不明の死亡者や行方不明者が出たという記述も無いため、そのような集落があった事は考えにくい。

犬鳴日原鉄山にまつわる話の中には、製鉄に従事するたたら職人を石見国から招き、福岡藩御譜代組足軽だった犬鳴村の住民との接触を禁じたが、住居や墓は犬鳴村内に置いていた。

墓は金山と穴蔵口(あなぐらぐち)と言われる2ヶ所にあり、墓の中には1862年(文久2年)と同三年の年号銘(ねんごうめい)や戒名が記されているものもあり、子供の墓もある。

犬鳴村の人達からは旅人墓(ロジン墓)と呼ばれ、その墓に近づくと祟りがあると恐れられていたという。

 

「犬鳴村は実在した?」

犬鳴村の正式名称は犬鳴谷村で、現在の宮若市にある犬鳴ダムの所に実在していた。

しかし、1889年(明治22年)4月1日に町村制度が施行され、周辺の脇田・乙野・小伏・縁山畑の4村と合併し吉川村となり、犬鳴谷村は吉川村の一集落となった。

更に、その後、市町村合併が進められ、1955年(昭和30年)3月1日に吉川村は若宮町と対等合併した。

2006年(平成18年)2月11日には、若宮町と宮田町が合併し「宮若市犬鳴」となり、現在も地名として残っているが、2015年時点での人口は0人となっている。

元々は農林業などを主産業としていたが、産業を取り巻く事情の変化などにより廃れ、集落の中心部は犬鳴ダム建設により湖底に沈んだため、居住者たちは周辺の町に転居した。

 

これは余談だが、犬鳴村伝説を題材としたホラー映画「犬鳴村」が、清水崇監督により制作され、2020年に公開されるようだ。

主演は三吉彩花さんで、石橋蓮司さんや高島礼子さん、高嶋政伸さん、奥菜恵さんも出演している。

興味がある人は観てみてはどうだろう。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です