【ウクライナ旅客機墜落】米政府はイランが撃墜したと判断か

今月8日にイランの首都テヘランの空港付近でウクライナ旅客機が墜落した事件で、米ニューヨーク・タイムズなどの米メディアは9日、米政府が「イランにより誤って撃墜された可能性が高いと判断している。」と報じた。

墜落した同旅客機は、ウクライナ国際航空のボーイング737-800型機で、イラン人やカナダ人、ウクライナ人、スウェーデン人、アフガニスタン人、ドイツ人、イギリス人などの多数の外国人が搭乗しており、乗客・乗員を合わせた176人全員が死亡した。

イランの国営メディアは、同旅客機がテヘラン空港からウクライナの首都キエフへ向かって飛び立ったが、離陸直後に機体の不具合が発生し、空港へ引き返そうとしていたが、高度8,000フィート(2,440m)付近でレーダーから消えたなどと報じていた。

しかし、墜落前に機体が炎上していたとの情報もあるようだ。

同旅客機が墜落したのは8日午前6時過ぎで、同日午前1時半頃にはイランが米軍駐留基地にミサイル攻撃を行っていた事から、何らかの軍事行動に巻き込まれたのではないかという憶測も上がっていたが、イラン軍の広報官は「バカげたプロパガンダだ。」などと強く否定していた。

米CBSテレビは、米情報機関が墜落直前に地対空ミサイル2発の発射を探知し、ミサイルの破片と見られる物が墜落現場付近で見つかったと報じている。

トランプ大統領は9日にホワイトハウスで、イランによる撃墜の可能性について記者団に「私なりの疑いを持っている。旅客機は物騒な地域を飛んでいた。」などと述べたが、イランによる撃墜の断定は避けた。

また、カナダのトルドー首相も「イラン側が誤って地対空ミサイルで撃ち落とした可能性がある。」と述べている。

 

下の写真は、ウクライナ旅客機が墜落した現場の写真。

ウクライナ旅客機の墜落現場の写真
引用:ロイター

 

下の写真は、フライトの記録を見る事ができるサイトにある、今回墜落したウクライナ旅客機のフライトデータだが、これを見る限り、引き返した様子は見られない。

墜落したウクライナ旅客機の飛行軌跡
引用:とくダネ

イランの国営メディアが報じた「離陸直後に機体に不具合が発生し、空港へ引き返そうとしていた。」という内容とは異なっており、イランは墜落した旅客機のフライトデータも渡さないと言っている。

やはり、誤って撃墜してしまったのだろうか。

 

墜落当日は、イランの複数の弾道ミサイルがイラクの米軍駐留基地に撃ち込まれた日で、軍事的な緊張が高まっていた。

イランメディアは、旅客機の墜落に関してイラン当局の責任者が「この空域は国際便や国内便が行き交っており、そうした場所でミサイルを発射するなど有り得ない事だ。筋の通らない噂に過ぎない。」と述べ、関与を強く否定していると伝えている。

 

イラン当局の責任者は、墜落した旅客機の操縦席の会話などが録音されているブラックボックスを、航空機メーカーのボーイング社や米国側に提供する事に否定的のようだ。

しかし、犠牲者が出たウクライナやカナダなどの関係国には、原因調査に参加する事に前向きな姿勢を示している。

イラン大統領府によると、ロウハニ大統領は9日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、犠牲者への哀悼の意を示した上で原因の究明に向け、両国が全面的に協力していく事を確認したようだ。

だが、ウクライナ当局はミサイル被弾やテロの可能性を排除しておらず、ミサイルや爆弾によって撃墜された可能性についても調査している。

ブラックボックスは破損しているようだが、コアメモリーへのアクセスは可能なようだ。

 

今回墜落したボーイング737-800型機は、世界中で何千機も運用されており、既に数千万回航行している。

航空安全の専門家トッド・カーティス氏によると、今回の墜落を含め、これまで10件の事故が起きているという。

だが、あらゆる状況から見て、同旅客機は正しく整備され、欧米の航空当局からも特段の問題はないとされていたため、現時点では特定の原因を示すものは何もないようだ。

誤った撃墜でない事を祈りたい。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です